学術調査助成金事業
只見町の古民家実態調査
公認自然ガイドの育成
沼ノ平総合学術調査
自然環境基礎調査
只見の湿原
自然環境基礎調査
只見地域の昆虫相の解明
自然環境基礎調査
伊南川の魚類相の解明
在来イワナの
生息状況調査
只見こども藝術計画
ユネスコスクールの
登録と支援
伝統芸能保存推進事業
只見町ブナセンター
◆1.「自然首都・只見」学術調査助成金事業【実施主体:只見町】

只見町の自然環境や生物多様性の保全・再生・活用あるいは生活文化に関する基礎研究から応用研究など、町内に存在する事象や課題に関する研究あるいは研究集会を実施する大学、研究機関等を対象として助成を行っています。
 年度末に成果報告会を開催し、町民の方々が調査内容について学ぶ機会を設けています。
 また、これらの調査内容は、「只見の自然-只見町ブナセンター紀要」へ掲載されています。

助成金による調査の様子
 成果報告会の様子 只見町ブナセンター紀要(2019年No.7発行)
購入について

「自然首都・只見」学術調査助成金交付要綱.pdf
過去の助成実績一覧.pdf


◆2.只見自然環境・社会文化基礎調査「只見町の古民家実態調査」
【実施主体:只見町】

只見地域には、曲がり屋に代表される古民家が存在します。こうした古民家は、地域の代表的な景観の一部であり、住民の伝統的な生活文化を知るうえでの重要な文化財でもあります。一方で、現在、生活様式の変化や老朽化に伴う新築や過疎高齢化に伴い、空き家化し維持管理できなくなった古民家の解体が進んでいます。そこで、町内の古民家の実態調査を行い、その保全策のための基礎資料とするため、調査を信州大学へ委託しています。

2019年「只見町の古民家実態調査」実施報告書.pdf


信州大学による古民家実態調査の様子



◆3.只見町公認自然ガイドの育成【実施主体:只見町】

只見の自然環境や野生生物を案内、解説する町の公認ガイドを育成することを目的としています。現在、21名が認定を受けており、認定後も町がフォローアップの研修を毎年実施しています。

2019年度は、9月7日に実施しました。

●2019只見町公認自然ガイドフォローアップ研修報告書.pdf



研修の様子(長野県カヤノ平)



◆4.沼ノ平総合学術調査【実施主体:只見町】

 地すべり地帯にある沼ノ平には、多数の湖沼やブナ林が広がり、貴重な動植物が生育・生息しているとされています。この沼ノ平地域について、今後の保護・保全・利用の在り方の検討のために総合学術調査を実施しています。



◆5.只見自然環境基礎調査「只見の湿原」【実施主体:只見町】

 只見地域は、日本海側の多雪地域に位置し、標高1,000m程度の山々に囲まれた山間地域にあり、冷涼の気候帯にあります。只見地域の浅草岳や丸山岳などの標高1,500m以上の山の山頂部には小規模な高層湿原が見られますが、一方で、比較的低標高地にも湿原が分布しています。その代表的な湿原は、梁取の大曽根湿原であり、只見町の天然記念物に指定されています。こうした湿原は、特異な環境を反映した植物群落が形成され、希少な動植物の生育・生息場所となっており、地域の生物相の多様性に大きく貢献しています。大曽根湿原については、1970~1980年代に湿原の現況および植生調査が行われましたが、そのほかの湿原については、その分布はもとより実態も明らかになっていない状況でした。

そうした中で、ユネスコエコパークに登録された只見地域においては、その登録により、域内の自然環境の保護・保全が義務付けられるとともに、地域の財産としての湿原の重要性が認識されるに至り、これを契機に、只見町ブナセンターを中心に、2014年度(平成26年度)から2016年度(平成28年度)にかけて、只見地域の湿原の植生調査を実施しました。 

また、只見町教育委員会でも、2014年度(平成26年度)から2016年度(平成28年度)にかけて、大曽根湿原と大谷地において、ボーリング調査により、花粉分析と植物遺体の調査を行い、湿原の形成と過去の周辺植生の変遷の解明にも取り組みました。

その成果は、2017年度(平成29年度)にただみ・ブナと川のミュージアムで報告企画展「只見-その生態と歴史」が開催され、同年、調査を行った菊地賢氏(森林総合研究所)による報告講演会の中で報告されました。また、その詳細ブナセンター紀要や企画展解説ブックレットにてまとめられています。

湿原は地域の生物多様性に貢献する重要で、守るべき環境(大曽根湿原)


企画展ポスター 報告講演会


〈成果報告(ブナセンターホームページリンク)〉

●企画展解説シリーズ11『只見の湿原-その生態と歴史』:56pp.只見町ブナセンター
菊地賢・鈴木和次郎・遠藤菜緒子・槇原寛・渡部賢史(2018)

●只見町ブナセンター紀要『只見の自然』6: 「只見町の湿原植生」P.39-55
菊地賢・中野陽介・鈴木和次郎(2019)




◆6.只見自然環境基礎調査「只見地域の昆虫相の解明」
【実施主体:只見町】

 ユネスコエコパークにおいては、その理念・目的の達成のために、地元が独自に必要性のある研究課題ついての基礎調査を進める必要があります。只見地域については、豪雪地帯にあり、その面積も広大であることから、未解明の自然環境がありその解明が求められています。とりわけ、昆虫相については、未解明の部分が大きく、昆虫相の調査、把握し、今後の保護・保全のための基礎資料とする必要があります。

 そこで、2014年度(平成26年度)から2015年度(平成27年度)の2年間に渡り、槇原寛氏、滝久智氏(森林総合研究所)と只見町ブナセンターが共同で、町内の概ね全域において昆虫の捕獲調査を実施しました。調査にあたっては、地元集落、地元住民、関東森林管理局会津森林管理署南会津支署の理解・協力をいただきました。その結果、福島県未記載種や会津地方未記載種が確認されるなどの成果が得られました。その詳細な成果は、ブナセンター紀要No.5及びNo.6にまとめられました。また、2016年度(平成28年度)には、ただみ・ブナと川のミュージアムにおいて、企画展「只見の昆虫−只見自然環境基礎調査の報告」が開催、同年、調査研究の中心となった槇原寛氏による報告講演会が行われました。

トチノキに訪花する昆虫を採集する 昆虫トラップの設置


報告企画展ポスター 報告企画展(上)、報告講演会(下)


〈成果報告書(ブナセンターホームページリンク)〉

●只見町ブナセンター紀要『只見の自然』No. 5(2016年)

●只見町ブナセンター紀要『只見の自然』No. 6(2017年)、只見町で新たに追加されたオオキノコムシ科とカミキリムシ科甲虫(槇原ほか)、福島県只見町のクワガタムシ(槇原ほか)



◆7.只見自然環境基礎調査「伊南川の魚類相の解明」
【実施主体:只見町】

 ユネスコエコパークにおいては、その理念・目的の達成のために、地元が独自に必要性のある研究課題ついての基礎調査を進める必要があります。只見地域については、豪雪地帯にあり、その面積も広大であることから、未解明の自然環境がありその解明が求められています。
 域内の淡水魚類相については、未解明の部分が大きく、また、地元漁協からは伊南川の淡水魚類の資源量の減少が懸念する声があったため、伊南川の淡水魚類相を調査、把握し、今後の保護・保全のための基礎資料とすることを目指しました。

 只見町は、2015年度(平成27年度)から2016年度(平成28年度)の2年間に渡り、南会津西部非出資漁業協同組合の協力のもと、アクアマリンふくしまに調査を依頼し、只見町内の伊南川流域での淡水魚類相の調査を実施しました。その結果、伊南川流域において8科18種の淡水魚が確認され、これまで正確に把握されていなかった伊南川の淡水魚類相が明らかになりました。詳細な報告は、ブナセンター紀要No.6及びNo.7に掲載されています。


調査の様子


〈成果報告書(ブナセンターホームページリンク)〉

●只見町ブナセンター紀要『只見の自然』6: 「只見町伊南川における魚類相調査」P.15-25
倉石信・春本宜範・藤井芳(2017)

●只見町ブナセンター紀要『只見の自然』7: 「只見町の伊南川各支流における魚類相 」P.20-27
春本宜範・荒木美妃・戸倉渓太・永山駿(2018)


◆8.在来イワナの生息状況調査【実施主体:只見町】

 只見地域では、1970年代頃から養殖により品種改良されたイワナが河川に放流され、在来イワナであるニッコウイワナが多くの場所から姿を消しています。
 在来種の遺伝子保全の観点から、在来イワナの地域個体群とその生息地の保護が求められており、只見町は、2013年度(平成25年度)より今後の保全策のために生息地調査を実施しています。

 これまでの調査により、只見地域のごく限られた河川にしか在来イワナが生息しないことがわかってきています。全域での調査を行えていないので、引き続きの調査を実施するとともに、必要に応じて在来イワナの生息河川について保全策を検討する必要があります。

 なお、在来イワナであるニッコウイワナは、「只見町の野生動植物を保護する条例」により保護対象種となっています。

在来イワナ 在来イワナの生息環境



◆9.只見こども藝術計画【実施主体:只見町】

只見町内の子供たちを対象として、只見町の自然や文化に触れ合い、それらを通した芸術活動(ワークショップ形式)の機会を設けることで、只見町の子どもたちが地域に学び、そして、彼らの未来や才能を拓くことにつながることを目指す活動です。

■プロジェクト:ブナの森の道具屋さん
 只見の子どもたちに只見のブナの森に訪れてもらい、森に潜んでいる生き物たちの暮らしを想像し、その生き物たちが使うかもしれない道具を子どもたちに創作してもらいます。自然の恵みを生かして暮らしてきた只見ならではのワークショップです。

(これまでの経過)
 
2018(平成30)年度、只見町ブナセンターは、只見ユネスコエコパーク支援委員会委員の小林めぐみ氏(福島県立博物館専門学芸員)から“福島こども藝術計画”※1をご提案いただき、アーティストの岩田とも子氏※2を迎え、只見地区子ども教室の子どもたちを対象に「ブナの森の道具屋さん」のワークショップを実施いたしました。2019(令和元)年度より、実施主体を只見町に移し、“只見こども藝術計画”として継続して開催しています。

※1
“福島こども藝術計計画”は、福島藝術計画 × Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)の中で行われており、福島県、東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)の三者が共催する、地域の団体と協働してアートプログラムを実施する事業である。文化芸術に触れる機会や地域コミュニティの交流の場をつくり、文化芸術による地域活力の創出と心のケアという視点から復旧・復興を支援しています。
※2
岩田 とも子 氏
1983 年 神奈川県相模湖町出身
2008 年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻 修了

 身近な自然物の観察・採集から宇宙的なサイクルを体感するような制作をするアーティスト。発表形態は多様で2012年に畑を舞台に展開した「SILENT MIXER」、2014年に香川県粟島での自然物を採集 するプロジェクト「粟島自然観察船」その他、自然学校の講師と共同で森の中で子どもワークショップを定期的に行う。生き物に対する素朴な視点、そこからはじまる学びと表現を大切にしている。
ホームページURL http://shizenkansatsu.net/



photo by Haruka Moriya
●2018(平成30)年度 福島こども藝術計画
対象: 只見地区放課後こども教室
主催:福島県文化振興課、東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
共催:只見ブナセンター

協力:只見振興センター、只見町教育委員会
企画運営:福島県立博物館 事業受託者:特定非営利活動法人Wunder ground

●ワークショッププログラム(2018).pdf


● 2019(令和元)年度 只見こども藝術計画
対象: 朝日地区放課後こども教室
主催: 只見町ブナセンター、朝日振興センター
協力: 福島県立博物館

●ワークショッププログラム(2019).pdf  ※予定
●2019年第1回「只見こども藝術計画」活動報告書.pdf
●2019年第2回「只見こども藝術計画」活動報告書.pdf




◆10.ユネスコスクールの登録と支援【只見町教育委員会】

 町内の小中学校のすべてがユネスコスクールに登録されています。
 ユネスコエコパーク関連事業と連携しながら、只見の自然環境とそれを拠り所にした只見の伝統、生活、文化を理解し、世界平和と文化的な発展に協力する人材育成を図ります。




◆11.伝統芸能保存推進事業【只見町教育委員会】

 只見町の伝統芸能である「小林の早乙女踊り」や「梁取の太々神楽」は、現在に至るまで引き継がれていますが、今後も後継者の育成を通じ、確実に次世代に継承する必要があります。
 小学校の授業の中で、それら伝統芸能の後継者育成を進めています。




◆12.只見町ブナセンターの活動

 京都大学名誉教授の河野昭一氏らを中心に行われたブナ林総合学術調査(2002年<平成14年>~2004年<平成16年>)により只見地域のブナ林の価値が認識されるようになり、2006年(平成18年)、只見町はそれを受けて第六次只見町振興計画によりブナ林を核とした町づくりを掲げました。そして、その中核組織として、2007年(平成19年)に「只見町ブナセンター」を発足させています。その主な活動は、(1)只見町の自然環境・野生生物の保護・保全、(2)そのための調査研究を行い、情報の収集・蓄積、(3)地域の自然環境や天然資源の非破壊的かつ持続可能な形での利活用の推進、(4)只見町の基調で豊かな自然や生活文化の情報を広く提供、交流人口の拡大につなげる、などです。

 2009年(平成21年)には、只見町ブナセンターの附属施設として「ただみ・ブナと川のミュージアム」(博物館)を開設しました。ミュージアムは、只見町の自然や野生生物、それらと人との関わりなどを展示紹介しており、只見町の自然へのインターフェイスとしての役割を果たしています。また、只見地域の特徴である自然や野生生物、生活文化に関する企画展、観察会、学術講演会も定期的に開催しています。

 2015年(平成27年)には、「ふるさと館田子倉」が只見町ブナセンターの附属民俗資料館として開館しました。この資料館は、戦後の只見川総合電源開発の中、田子倉ダムの建設によりダム湖に水没した旧田子倉集落の生活文化を主とし、只見川流域での電源開発と地域社会の生活を伝えるものです。只見ユネスコエコパーク推進協議会の事務局もこの中に置かれています。

 現在、只見町ブナセンターは、只見ユネスコエコパークの事業を推進する中核的な組織として、その管理・運営の調整と只見地域の自然と文化を紹介する役割を果たしています。

只見町ブナセンターホームページURL:http://www.tadami-buna.jp/

博物館施設「ただみ・ブナと川のミュージアム」 旧田子倉集落の民俗資料館「ふるさと館田子倉」

只見町ブナセンター主催の観察会

来館者へ只見町の自然や文化を解説・紹介


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